「なぁ、大人と子供のボーダー最終章だな。
 子供同士は別れ際、沢山の約束をする。
 大人同士は別れ際、黙って相手の健闘を祈る。
 ・・・てな感じで。」

今岡の抜けたプレゼンでは、ミナミが代役を勤めていた。
ミナミは”WATCHing”(見守る)に”with you”をプラスしている。
それは、渡辺に言われて気づいた自分の想い。
勇也への想いだった。

「この言葉に、たどり着いたのは、
 ある人との、出会いからです。
 その人との出会いは・・・あり得ないくらい、印象が悪くて。
 最初は、イライラしっぱなしで。
 なのに、一緒に働くことになって。
 まあ、最初は、面倒みてやるか、ぐらいな感じで。
 でも・・・いつの間にか・・・
 いつの間にか・・・
 見守られていたのは、私の方で。 
 彼こそが、私の時間を、温かくしてくれていて。
 なのに私は、そのことに、気づきもしなかった。
 でも、もう1度チャンスがもらえるなら、
 私が見守りたい。
 その出会いから、WATCHing with you 
 という言葉が生まれました。」


「行けるわけないじゃない。
 伝えたいこと、一番伝えたい人に何も言えてないのに。
 初めてなの。仕事休んで、こんなことしたの初めて。
 だって今までは、自分のペースで好きなように仕事して、
 自分のことコントロールするのに夢中で。
 その方が楽だから。
 だから一人の方が好きだったの。
 でも今は、二人の方がいい!
 そのくらい、あなたが好き。
 好きよ。大好きよ!」
「・・・こんな天気のいい日はさ、思うんだよね。
 なんか、他にもっとあるんじゃないかなって。
 もっとわくわくする何かとか、
 俺にしかできない、何かとか。
 他にも、なんかもっと。
 でもここにしかないんだよ。
 目の前の仕事の中にしかない。
 そんなことを思いながら、毎日仕事している。
 だからいつか、いつかもうちょい働いて、
 いっちょまえの、大人の男になったらさ、
 藤井ミナミを、
 ミナミのことを迎えに行くから!」
ミナミの瞳から涙がこぼれる。
そして二人は、抱きしめ合い、キスをした。
二人のバックにはミナミの広告。
お互いの時間を温めあう二人・・・。
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